2013-01-01から1年間の記事一覧

市外登録者の割合が増えているのにTカードは減っている

CCCは定期的に武雄市図書館の利用状況をニュースリリースで出している。 このたび4回分(2013/4/30, 2013/6/30, 2013/9/30, 2014/3/31)となったので並べて見てみた。 1日平均の来館者数、貸出冊数ともに下降傾向にあるのは折り込み済みだとして、利用登録状…

「知のマッチング機能」とは何か

千葉市長は「知のマッチング機能」について個人情報は必要ないとしたうえで、これを「含めることでリスクを上げる必要はない」と述べている。*1 千葉市長の考える「知のマッチング機能」はこういうものだという。 * 「このテーマではこうした本も借りられて…

「個人を特定しない」は何を尊重しているのか

@kakitane 私はレファレンス等の知のマッチング機能を高めるためには何らかの形で貸し出し履歴をビッグデータとして分析することが有意義と考えます。ただし、それは図書館の従来の考え方とは相容れません。図書館本来の機能と図書館古来の思想のずれをどう…

個人情報の保護とプライバシーの配慮

3 本データの取り扱いについて (1) 日立製作所には、統計分析に必要な最低限のSuicaに関するデータを切り出して 提供しています。これらには氏名や連絡先は含まれておらず、個人を特定することはできません。(強調筆者) Suica に関するデータの社外への提供…

『特定の Suica のデータを長期(2年半)にわたって追跡』可能だった

当初、SuicaID は長期にわたった追跡ができないようにしているとされていた。 (2) SuicaID 番号を他の形式に変換した識別番号は、元の SuicaID 番号に復元できな いようにしており、氏名や連絡先と紐づけることができません。また、特定の Suica のデータを…

図書館は誰のためにあるか

図書館関係者には関係者としての想いがあるだろうけれど、個人的に図書館は子どものためにあると思う。 大人が10倍来ようと、子どもの利用が減る図書館は「良い図書館」とは言えないと思う。 図書館でありがたいのは無償で本を借りられること。 無償で本を借…

恵比寿 - 渋谷 - 六本木 - 代官山

CCC

「都市の重心」を意識した店舗の展開。 年 場所 コンセプト 1994 恵比寿 ないビデオはない 1999 渋谷 デジタル・ノマドの巣窟 2003 六本木 BOOK & CAFE 2011 代官山 プレミアエイジへの生活提案の場 2013 武雄市図書館 プレミアエイジ 2013 函館(予定) 代官…

武雄市市政アドバイザーの考える知的財産とFB良品の今後

武雄市市政アドバイザーに佐藤俊介氏が就任した。氏はFB良品から名称を変更することになるブランド「サティスファクション・ギャランティード」のCEOで、今後、同ブランドはFB良品と連携することになる(「FB良品」は "JAPAN satisfaction guaranteed" になる…

新武雄市図書館はコスト削減になっていない

@naokages この武雄市新図書館、直営だと年間2億円かかるところをCCCだと1億円ちょっとで管理できるという点がミソ。つまり指定管理者制度導入によって約1億円がコストカットできる。改修費の市負担である4.5億円も数年で元が取れる計算。 #takeolibrary htt…

SNSでの「議論」で求められる実名とは何か

匿名のSNSは汚い言葉にあふれ、極端な意見が繰り返し主張され、「双方向」の議論が成り立たないというのは本当か。(実名の議場では時々耳にするけれど) 丁寧なメンション、ありがとうございます。後ほど、お答えしますね。RT @wataridori9: 武雄市民の1人で…

武雄市図書館のTカード番号で「本人が特定されない」のは本当か(2)

前回述べた *1 流れでは、「ID紐付登録」によって得られる「変換表」は図書館が持つとした。 しかしCCCの規約には、紐付はCCCの作業とある。 (7)「ID 紐付登録」とは、CCC が T 会員に割り当てるTカード番号と図書館 ID とを紐付ける登録をいいます。 Tカー…

武雄市図書館のTカード番号で「本人が特定されない」のは本当か

keikuma さんのブログ *1 にもある通り、古賀教育部長は武雄市図書館がCCCへ利用者のTカード番号を渡したとしても「本人が特定をされない」と答弁し、よって「個人情報についてはしっかり守られる」と述べているが、本当だろうか。 6 図書館が取り扱う個人…

電子書籍が普及しないのは図書館のせいではなく、権利処理の問題だろう

話題の「電子書籍の仇敵は図書館」 *1 が大幅に「付記」されている。「バカ発見器」によって発見される側のバカとして、バカなりの考えをまとめたい。 筆者は電子書籍が普及しないのは図書館のせいだと言っている。 なぜなら図書館は: 読みやすい紙の本をタ…

無料貸出という広告と有料書籍

武雄市長が ad:tech Kyushu 2013 のパネルディスカッション *1 で図書館に関して言及した部分について、要約すると次のようになると思う。 居心地が良ければアクセスも増える (前図書館は)オペレーションが悪くて居心地が悪い空間だった CCCのオペレーション…

武雄市図書館 5/23 22時頃の予約ランキング(ジャンル別含む)

武雄市図書館 5/23 22時頃の予約ランキング すべて 順位 タイトル 著者 所蔵 予約 1 海賊とよばれた男 上 百田 尚樹/著 2 10 2 聞く力 阿川 佐和子/著 8 2 3 舟を編む 三浦 しをん/著 11 0 4 永遠の0 百田 尚樹/著 2 8 5 ビブリア古書堂の事件手帖 4 三…

館長とエポカル武雄フレンズの話

『図書館が街を創る。』*1から、館長とエポカル武雄フレンズの話 館長 CCCが運営に加わることには、私自身、懸念や不安もありました。民間企業というのは、基本的には利潤の追求がその存在意義ですから、市立図書館の "公共性" が、ないがしろにされてしまう…

『首長パンチ--最年少市長GABBA奮戦記--』を読んだ

『首長パンチ--最年少市長GABBA奮戦記--』*1を読んだ 市長、もともと首長になりたいという気持ちはあったものの、定年過ぎてから立候補するものだと漠然と思っていたところ、無投票だからと担がれて市長選に立候補した(結果として無投票にはならなかった)。 …

「市民価値を追求する武雄市の挑戦」を読んで

新図書館構想に関する市長の発言には、動画や文章で何度となく触れてきた。 今回発表された文章は「新装開店」後の公式発表としてボリュームがあり、いままでのおさらいも兼ねた内容となっている。 そこで今まで感じてきたことも踏まえ、ここに文章を引きな…

「9つの市民価値」改め「8つの市民価値」

武雄市図書館に関する本(1)が出ている。 CCCの発表(2)では「9つの市民価値」だったのが、本では8つになっている。 当初リリースの表現からどのように変わったのか、本の言及個所から確認する。 CCC 本 言及個所 20万冊の知に出会える場所 20万冊の蔵書 『2…

武雄市長の『「力強い」地方作りのための、あえて「力弱い」戦略論』を読んだ

「公務員は楽」的な指摘もあるけれど、武雄市の職員は大変だ。市長がバンバン思いついてドンドン企画を考えて、さらに決まったことをあっさり変えて、さらにそれらをすっかり忘れてしまう。この本はそうやって市長がしてきたことと、それらを職員がフォロー…

武雄市図書館 年度別利用状況 (H12-23)

引き続き @keikuma さんが 開示請求 された 武雄市図書館・歴史資料館協議会の議事録 から。 平成13年度を100としたときの利用状況をグラフにすると次のようになる。 (利用者数、貸出冊数ともに1日あたりの数の変動) 前回見たとおり、武雄市図書館は開館日数…

武雄市図書館・歴史資料館協議会の議事録を見る

@keikuma さんが 開示請求 された 武雄市図書館・歴史資料館協議会の議事録 を見る。 レファレンス研究会議事録 平成25年3月13日(水) 第61回県内公共図書館レファレンス研究会議事録 「リニューアルオープン後の武雄市図書館について」としてCCCから説明 ・…

「附帯施設論争」について

最近、「図書館は何をするところか」について、「社会教育」が再発見されたりしている。 本を貸すだけなのか、コーヒーも出すのか、有償レンタルもするのか、有名人のトークショーも開くのか、つまり社会教育施設としての図書館は何であって、何でないのか(…

図書館が無料であることについて

無料の経緯について西崎局長は、前回整理した以外にも次のように述べている。 「先般米国の教育使節団等が参りましたときのアドヴァイスにも、この図書館の公共性と公開性を非常に強調致しまして、いかなる対価をも徴収すべきではないということが書いてある…

「無料貸本屋」と「民間委託」について、個人的な整理

Librahack, takeolibrary となぜか図書館に関係することに惹かれている。 素人なりに図書館にまつわる話を見聞きしてきたので、整理をしてみたい。 とくによく聞く話「無料貸本屋」と「民間委託」についてまとめる。 (間違っている点はご教示いただけると大…

指定管理者制度導入による運営費の削減について

武雄市新図書館、きょう1日開館 指定管理者制度導入は、運営費削減と新形態の公共施設運営を探るため導入した。契約期間は5年で、指定管理料は年間1億1千万円(歴史資料館は委託外)。2013年度は管理料に加えて歴史資料館運営費など約2800万円が…

「図書館法」が守ろうとしているもの

再度、西崎恵の『図書館法』より。 最近では図書館法は挑戦される対象、打ち破られる対象と考える人もいるようで、そんな中、当時どのような背景でこの法律が作られたか、担当者の考えに触れることは大切だと思う。 以下の言葉は昭和25年5月5日に記されたも…

図書館法の「レクリエーション」について

西崎恵『図書館法』は、昭和25年当時、文部省社会教育局長だった西崎恵氏が図書館法の趣旨を述べた資料。 「レクリエーション」の定義 図書館法による図書館の目的と、従来の目的とを比較すると、レクリエーションに資するということが新たに加えられている…