「9つの市民価値」改め「8つの市民価値」

武雄市図書館に関する本(1)が出ている。
CCCの発表(2)では「9つの市民価値」だったのが、本では8つになっている。
当初リリースの表現からどのように変わったのか、本の言及個所から確認する。

CCC 言及個所
20万冊の知に出会える場所 20万冊の蔵書 『20万冊のうち、18万冊が開架に』(P.25)
雑誌販売の導入 雑誌 『館内での雑誌の販売は前述のように蔦屋書店が行うものの、もちろん従来通りに閲覧はできる。それも館内での閲覧のほか、今後はスターバックスのカフェ席に持ち込んでの閲覧も可能だ』(P.29)
映画・音楽の充実 映画・音楽 『実は「武雄市図書館」ではこれまでも、映画や音楽の貸出を行ってはきていた。しかし、映像作品はVHSが中心で、CDも利用者のニーズに沿った品ぞろえからは遠かった。新しい図書館ではDVDの充実はもちろん、CDのレンタルも音楽を中心に、アルバム3万枚、50万曲を取りそろえ、特に50歳以上の "プレミアエイジ" 向けの懐かしいフォークやジャズ、クラシックを強化している』(P.31)
文具販売の導入 n/a
電子端末を活用した検索サービス 検索/IT 『新しい「武雄市図書館」においては、この「日本十進分類法」に代わり、「代官山 蔦屋書店」で使用している、22進の分類法が採用される。概説すると、前者が本の内容の側に即して分類されていたのに対し、22進法では本を手に取る読者の側に立った分類となっている』(P.33)
カフェ・ダイニングの導入 カフェ 『館内とテラスで計100以上のカフェ席が新設され、そこへは貸し出し前の書籍を持ち込むこともできる』(P.26)
「代官山 蔦屋書店」のノウハウを活用した品揃えやサービスの導入 ノウハウ 『並べられる本の分類を、日本十進分類法に拠らず、より現代の生活の皮膚感覚に近い、独自のコードに変えようとする試みも、「代官山 蔦屋書店」の商品陳列において、すでに試みられた土台があるから実行に移されたものだ。そうでなければ、20万冊という膨大な書籍の山を相手に、分類法の再構築などというアタックを敢行できるわけもない』(P.36)
Tカード、Tポイントの導入 ポイント 『これは本を借りるという行為につくポイントではなく、あくまでもセルフカウンターを利用することを通して、図書館業務の効率化に貢献いただいた人に発給されるもの』(P.35)
365日、朝9時~夜9時までの開館時間 開館時間 『概算すると図書館を利用することのできる時間は、これまでの約1.7倍にもなる』(P.23)

参考:
(1) 株式会社 楽園計画 編『図書館が街を創る。「武雄市図書館」という挑戦 Challenge of The Takeo City Library』ネコ・パブリッシング, 2013
(2) 武雄市とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の武雄市立図書館の企画・運営に関する提携基本合意について