ツタヤは本ではなく人を求めている

以下は代官山蔦屋書店の話。
ツタヤのねらいを理解するためのヒントになると思う。
ツタヤはそこに並ぶもの(本)ではなく、そこに集う人、人が集うことを狙いとしている。

p.190
"プレミアエイジ"、そしてリアルの復権
この"本屋がつくる街"を訪れる、ここに自立し成熟した人々を、私たちは"プレミアエイジ"と読んでいます。蔦屋書店枚方店のオープンが1983年。当時20代半ばだった若者は、現在50代にさしかかっています。「代官山プロジェクト」は、彼らにもう一度、アートやカルチャーの興奮や愉悦に立ち返ってもらうという役割も担っています。さらに、知的スリルを知る”プレミアエイジ”の感性や価値観はまた、若い層も刺戟するはずです。そうした意味では、「代官山プロジェクト」の真の魅力は、店頭に並ぶ商品以上に、そこに集う人々そのものにあります。リアルな場所でのリアルな交感が持つ可能性。それも大きなテーマです。

CCC代官山プロジェクト 編『11ARTS 代官山プロジェクトをめぐる、11建築家の提案』, 復刊ドットコム, 2010年

ツタヤの考える「空間」が何を指しているのかがわかる。
そしてこの考えはツタヤ図書館にも繋がっているように見える。
人が集まる空間を作り、その空間に浸ることで「リアルな交感」が生まれ、その体験を「ライフスタイルの提案」としているのだと思う。