自分の住む図書館に期待していること

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図書館は客を集める施設ではない。本は客を迎える飾りではない。
図書館は困難を抱えた人を受け入れ、その課題の解決を支援する場だと思う。

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図書館は利用者の秘密を守る。それを信じているから司書に相談ができる。
読書事実の秘密が守られるから、買って家で読めない本を、図書館で読むことができる。

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私たちが出した税金によって揃えられた本は、困っている私たちを救うのに使われる。

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困難は平等に、ある日突然、出し抜けに私の眼前にあらわれる。
逃れることはできない。

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だから私たちは皆で協力して本を用意する。突然訪れる日のために。その日が来た私たちのために。
図書館という場所は、そうした共同体の困難を受け止める場なんだと思う。

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端的に言って、図書館に華やかさも楽しさも求めていない。辛気臭い場所であって良いと思っている。
必要なのはその時に支援を受けられること。そのためには常にその準備がなされていること。

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コーヒーの香りを漂わせることではなく、本を揃えること。

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華やかで楽しい娯楽は消費しきれないくらい眼前に広がっている。これは放っておいても増え続ける。
あえて税金で作り込まなくても、事業者が進んで皆に手招きしている。

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困難を受け止めてくれる場はそれと同じくらいあるだろうか。
採算の合わないことを、採算が合わないまま抱え込むことができるのが、共同体なのだと思う。

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図書館を集客施設にしたいのは一体誰なのか。
公共図書館を数ある民間商業集客施設の一つにしてしまって良いのか。
せっかくのセーフティーネットを自らの手で破る行為ではないのだろうか。

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