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武雄市図書館、開館当時の関係者の声

海老名、小牧、多賀城など武雄に続けとツタヤ図書館の流れがある。
ここで先例となった武雄市の関係者が当時どう考えていたのか、書籍から振り返りたい。 (杉原さんは館長、宮原さんは高層書架の設計者)

P.46
杉原豊秋
「CCCが運営に加わることには、私自身、懸念や不安もありました。民間企業というのは、基本的には利潤の追求がその存在意義ですから、市立図書館の "公共性" が、ないがしろにされてしまう部分が出てくるのではないかと」

「…もちろん年齢的には私自身もそうだから、"プレミアエイジ" をターゲットとする意味は良く分かるんですが、長く教員生活を送った性なのか、やはり若い人や子どものことがまず頭に浮かぶんですね。そうした年齢層を大切にした図書館運営を自分の手で続けていきたいと思ったわけです」

「…当然ですが、未来は子どもたちのものです。だから図書館の未来も子どもたちとともにある。私は館長になったとき、この図書館を未来に引き継ぐ責任を負ったと感じました。だからこの方針だけは守りたいのです」

P.50
宮原新
「書物というのは人にとってひとつの快楽。それを可視化するために、圧倒的なヴォリュームを備えた書庫というものをまず考えた」

P.52
エポカル武雄・フレンズ
「今回の図書館改革に関しては、それを聞いたときの不安は大きかったです。運営主体が変わることで、音訳や点訳といった活動を行う場が失われてしまうのではないかという懸念が先に立ちましたし」 そう3人は顔を見合わせる。
… 「公共性がなければいかに多くの蔵書を有していても、それは図書館ではなく書店になってしまいます。公共図書館とは、ただ本を貸し出す機能があればいいというものではなく、市民が集う場となる必要があると思いますし、そこからボランティア活動などの市民の運動が発生していくのだと思います。もちろん公共性という言葉の中身は人それぞれの捉え方によっても異なるでしょうし、時代によっても変わっていくものでしょう。ただ "公共" というのは行政が市民に押し付けるものでもなければ、市民が行政に任せきりにするものでもなく、行政と市民の対話を通して形作られていくものでしょう。新しい図書館には武雄市の公共性を体現する存在であってほしいと願っていますし、私たちもそれに協力していきたいと思っています」
株式会社 楽園計画 編『図書館が街を創る。「武雄市図書館」という挑戦 Challenge of The Takeo City Library』ネコ・パブリッシング, 2013