恵比寿 - 渋谷 - 六本木 - 代官山

「都市の重心」を意識した店舗の展開。

場所 コンセプト
1994 恵比寿 ないビデオはない
1999 渋谷 デジタル・ノマドの巣窟
2003 六本木 BOOK & CAFE
2011 代官山 プレミアエイジへの生活提案の場
2013 武雄市図書館 プレミアエイジ
2013 函館(予定) 代官山のエッセンスをロードサイドへ全国展開
2015 多賀城市(予定) 東北随一の文化交流拠点

CCCは「ライフスタイル」を提案する。原宿にあった喫茶レオンが原点。
増田社長は一人でグリップできなものはやらない(ディレクTVで懲りた)。
MBOもグリップ力強化という点から見るべきか。

代官山はワンパッケージとして企画されており、海外へ持って行くこともできるよう設計。
函館は代官山の全国展開版。但し代官山で組んだKDaではなく、梓設計の手による。
代官山も函館も「究極のローコスト」を設計時点から求めた。
代官山は「オンリーワン」、函館は「ファーストワン」。
函館を代官山のエッセンスと捉え、これを全国展開するねらい。

武雄市図書館の位置づけ
ディレクTVの教訓を踏まえると、自治体と組むことになる公共図書館は増田氏がグリップできないことから、他自治体への波及はそれほど積極的には進まないのではないかと想像。そもそも首長側の熱烈なラブコールで実現した形のため、「ロールモデル」とするには汎用性が低い。
流れとしては代官山の延長線上にあると考えられるが、コンシェルジュの位置づけが代官山ほど明確ではないため、「ライフスタイルの提案」というCCCの色は出せていないように感じる。


参考
CCC代官山プロジェクト 編『11ARTS 代官山プロジェクトをめぐる、11建築家の提案』, 復刊ドットコム, 2010年
株式会社 楽園計画 編『図書館が街を創る。「武雄市図書館」という挑戦 Challenge of The Takeo City Library』ネコ・パブリッシング, 2013
浜野安宏 増田宗昭 『デジタルシティーー渋谷「QFRONT」プロジェクトへの思索ーー』, ダイヤモンド社, 1998年
増田宗昭 『情報楽園会社TSUTAYAの創業とディレクTVの失敗から学んだこと』, 復刊ドットコム, 2010年
増田宗昭 『代官山オトナTSUTAYA計画』, 復刊ドットコム, 2011年
増田宗昭 『はじめて語られる企画の「虎の巻」』, 毎日新聞社, 2010年

蛇足
1998年刊の『デジタルシティ〜』に「ノマド」の語が登場している。浜野さんの言語センスが光っている。