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公共図書館の委託

最近は CCC とセットで言及される TRC こと図書館流通センターは、公共図書館からよく指定管理を受けていることでも知られている会社ではあるが、そもそもどういった組織なのか、ここでふりかえってみたい。 p.128 公共図書館の委託は、1980年代になって京都…

公立図書館の公共性

本(商品)を税金で共有してよいのは、それが公共の福祉だという共通認識があるからだろう。 その認識がなければ商品を税金で買い、勝手にシェアすることは端的に言って営業妨害だろう。 公共の福祉がそれに勝るという理解がなければ許されないことであるから…

武雄市図書館、開館当時の関係者の声

海老名、小牧、多賀城など武雄に続けとツタヤ図書館の流れがある。 ここで先例となった武雄市の関係者が当時どう考えていたのか、書籍から振り返りたい。 (杉原さんは館長、宮原さんは高層書架の設計者) P.46 杉原豊秋 「CCCが運営に加わることには、私自…

ツタヤは本ではなく人を求めている

以下は代官山蔦屋書店の話。 ツタヤのねらいを理解するためのヒントになると思う。 ツタヤはそこに並ぶもの(本)ではなく、そこに集う人、人が集うことを狙いとしている。 p.190 "プレミアエイジ"、そしてリアルの復権 この"本屋がつくる街"を訪れる、ここに…

自分の住む図書館に期待していること

うん、またド素人が作った天下りのためのツタヤ図書館なんだ。すまない。仏の顔もっていうしね、天下りを許してほしいとも思っていない。 pic.twitter.com/FsBbLQZ3fm— AbnKtr (@AkbnTr) 2015, 10月 1 やあ。ようこそ、ハリーボッテー海老名ツタヤ図書館へ(´…

武雄市図書館の利用は減っている(来館者数、貸出冊数、貸出者数、Tカード登録割合、市内利用割合)

以前まとめた武雄市図書館の利用統計の最新情報が出たので更新。 なぜか CCC からのリリースではなくソースは新聞記事。CCC の情報と一致すると思われる項目で表を作成した。 雑感: 来館者数、貸出冊数、貸出者数の一日平均は減り続けている 図書館利用者の…

「知る権利」と「知る自由」

「知る権利」と「知る自由」について図書館に聞いてみた。 知る自由 図書館の自由に関する宣言 right to know / freedom to know Statement on Intellectual Freedom in Libraries そもそも知る自由や知る権利について本格的に研究されている図書館情報学の…

武雄市の小学校で図書利用カード(含むTカード)が一斉作成されることの違和感

武雄市図書館は CCC を指定管理者とし、図書館の貸し出しカードを次の二種類から選べるようにした。 指定管理前からあった「図書利用カード」 TSUTAYA の Tカードに貸し出し機能がついたもの(下記抜き書きで「ポイント付き」とされているもの) 今回、武雄市…

公立図書館ではベストセラー本を扱うな?

端的に言って「税金による経済活動の妨害」だと思えるのです。 <略>公立図書館ではむしろその対極で、一般の書店では目にすることのない幅広い選択肢から、それぞれの利用者が興味をそそられる本や必要な資料を見つけ出すためのお手伝いをするのが図書館の役…

見たことのない図書館

同志社大学図書館司書課程講演会「『見たことのない図書館』を考える」 - Togetterまとめ 図書館への期待 出会いの場 思想言論の自由 ライブラリーとアーカイブス アップデーテッドとアナクロニスティック 社会から隔絶された静謐な空間 発信と恒久的保存 著…

他市の調査票との比較で見る「満足度調査」への取り組み

「図書館 満足度調査」でググって出てきた上から3つの市の図書館の質問項目と武雄市のそれとを比較し、各市の取り組みを見てみる。 みよし市立中央図書館 http://www.city.aichi-miyoshi.lg.jp/library/riyouannai/documents/miyoshi-lib_riyoutyousa2013.p…

市内の利用者が減り、利用頻度(週1〜2回)も減っている

武雄市が図書館利用者に行ったアンケートの結果が出た。 去年と比較すると: 市内利用者の割合が低下 月1〜2回の利用頻度が増える一方、週1〜2回は減った 初めて利用した割合も低下 居住区 居住区 割合(2013) 割合(2014) 武雄市内 47.8% 38% 佐賀県(武雄市以…

市外登録者の割合が増えているのにTカードは減っている

CCCは定期的に武雄市図書館の利用状況をニュースリリースで出している。 このたび4回分(2013/4/30, 2013/6/30, 2013/9/30, 2014/3/31)となったので並べて見てみた。 1日平均の来館者数、貸出冊数ともに下降傾向にあるのは折り込み済みだとして、利用登録状…

「知のマッチング機能」とは何か

千葉市長は「知のマッチング機能」について個人情報は必要ないとしたうえで、これを「含めることでリスクを上げる必要はない」と述べている。*1 千葉市長の考える「知のマッチング機能」はこういうものだという。 * 「このテーマではこうした本も借りられて…

「個人を特定しない」は何を尊重しているのか

@kakitane 私はレファレンス等の知のマッチング機能を高めるためには何らかの形で貸し出し履歴をビッグデータとして分析することが有意義と考えます。ただし、それは図書館の従来の考え方とは相容れません。図書館本来の機能と図書館古来の思想のずれをどう…

図書館は誰のためにあるか

図書館関係者には関係者としての想いがあるだろうけれど、個人的に図書館は子どものためにあると思う。 大人が10倍来ようと、子どもの利用が減る図書館は「良い図書館」とは言えないと思う。 図書館でありがたいのは無償で本を借りられること。 無償で本を借…

新武雄市図書館はコスト削減になっていない

@naokages この武雄市新図書館、直営だと年間2億円かかるところをCCCだと1億円ちょっとで管理できるという点がミソ。つまり指定管理者制度導入によって約1億円がコストカットできる。改修費の市負担である4.5億円も数年で元が取れる計算。 #takeolibrary htt…

SNSでの「議論」で求められる実名とは何か

匿名のSNSは汚い言葉にあふれ、極端な意見が繰り返し主張され、「双方向」の議論が成り立たないというのは本当か。(実名の議場では時々耳にするけれど) 丁寧なメンション、ありがとうございます。後ほど、お答えしますね。RT @wataridori9: 武雄市民の1人で…

武雄市図書館のTカード番号で「本人が特定されない」のは本当か(2)

前回述べた *1 流れでは、「ID紐付登録」によって得られる「変換表」は図書館が持つとした。 しかしCCCの規約には、紐付はCCCの作業とある。 (7)「ID 紐付登録」とは、CCC が T 会員に割り当てるTカード番号と図書館 ID とを紐付ける登録をいいます。 Tカー…

武雄市図書館のTカード番号で「本人が特定されない」のは本当か

keikuma さんのブログ *1 にもある通り、古賀教育部長は武雄市図書館がCCCへ利用者のTカード番号を渡したとしても「本人が特定をされない」と答弁し、よって「個人情報についてはしっかり守られる」と述べているが、本当だろうか。 6 図書館が取り扱う個人…

電子書籍が普及しないのは図書館のせいではなく、権利処理の問題だろう

話題の「電子書籍の仇敵は図書館」 *1 が大幅に「付記」されている。「バカ発見器」によって発見される側のバカとして、バカなりの考えをまとめたい。 筆者は電子書籍が普及しないのは図書館のせいだと言っている。 なぜなら図書館は: 読みやすい紙の本をタ…

無料貸出という広告と有料書籍

武雄市長が ad:tech Kyushu 2013 のパネルディスカッション *1 で図書館に関して言及した部分について、要約すると次のようになると思う。 居心地が良ければアクセスも増える (前図書館は)オペレーションが悪くて居心地が悪い空間だった CCCのオペレーション…

武雄市図書館 5/23 22時頃の予約ランキング(ジャンル別含む)

武雄市図書館 5/23 22時頃の予約ランキング すべて 順位 タイトル 著者 所蔵 予約 1 海賊とよばれた男 上 百田 尚樹/著 2 10 2 聞く力 阿川 佐和子/著 8 2 3 舟を編む 三浦 しをん/著 11 0 4 永遠の0 百田 尚樹/著 2 8 5 ビブリア古書堂の事件手帖 4 三…

館長とエポカル武雄フレンズの話

『図書館が街を創る。』*1から、館長とエポカル武雄フレンズの話 館長 CCCが運営に加わることには、私自身、懸念や不安もありました。民間企業というのは、基本的には利潤の追求がその存在意義ですから、市立図書館の "公共性" が、ないがしろにされてしまう…

『首長パンチ--最年少市長GABBA奮戦記--』を読んだ

『首長パンチ--最年少市長GABBA奮戦記--』*1を読んだ 市長、もともと首長になりたいという気持ちはあったものの、定年過ぎてから立候補するものだと漠然と思っていたところ、無投票だからと担がれて市長選に立候補した(結果として無投票にはならなかった)。 …

「市民価値を追求する武雄市の挑戦」を読んで

新図書館構想に関する市長の発言には、動画や文章で何度となく触れてきた。 今回発表された文章は「新装開店」後の公式発表としてボリュームがあり、いままでのおさらいも兼ねた内容となっている。 そこで今まで感じてきたことも踏まえ、ここに文章を引きな…

「9つの市民価値」改め「8つの市民価値」

武雄市図書館に関する本(1)が出ている。 CCCの発表(2)では「9つの市民価値」だったのが、本では8つになっている。 当初リリースの表現からどのように変わったのか、本の言及個所から確認する。 CCC 本 言及個所 20万冊の知に出会える場所 20万冊の蔵書 『2…

武雄市長の『「力強い」地方作りのための、あえて「力弱い」戦略論』を読んだ

「公務員は楽」的な指摘もあるけれど、武雄市の職員は大変だ。市長がバンバン思いついてドンドン企画を考えて、さらに決まったことをあっさり変えて、さらにそれらをすっかり忘れてしまう。この本はそうやって市長がしてきたことと、それらを職員がフォロー…

武雄市図書館 年度別利用状況 (H12-23)

引き続き @keikuma さんが 開示請求 された 武雄市図書館・歴史資料館協議会の議事録 から。 平成13年度を100としたときの利用状況をグラフにすると次のようになる。 (利用者数、貸出冊数ともに1日あたりの数の変動) 前回見たとおり、武雄市図書館は開館日数…

武雄市図書館・歴史資料館協議会の議事録を見る

@keikuma さんが 開示請求 された 武雄市図書館・歴史資料館協議会の議事録 を見る。 レファレンス研究会議事録 平成25年3月13日(水) 第61回県内公共図書館レファレンス研究会議事録 「リニューアルオープン後の武雄市図書館について」としてCCCから説明 ・…

「附帯施設論争」について

最近、「図書館は何をするところか」について、「社会教育」が再発見されたりしている。 本を貸すだけなのか、コーヒーも出すのか、有償レンタルもするのか、有名人のトークショーも開くのか、つまり社会教育施設としての図書館は何であって、何でないのか(…

図書館が無料であることについて

無料の経緯について西崎局長は、前回整理した以外にも次のように述べている。 「先般米国の教育使節団等が参りましたときのアドヴァイスにも、この図書館の公共性と公開性を非常に強調致しまして、いかなる対価をも徴収すべきではないということが書いてある…

「無料貸本屋」と「民間委託」について、個人的な整理

Librahack, takeolibrary となぜか図書館に関係することに惹かれている。 素人なりに図書館にまつわる話を見聞きしてきたので、整理をしてみたい。 とくによく聞く話「無料貸本屋」と「民間委託」についてまとめる。 (間違っている点はご教示いただけると大…

指定管理者制度導入による運営費の削減について

武雄市新図書館、きょう1日開館 指定管理者制度導入は、運営費削減と新形態の公共施設運営を探るため導入した。契約期間は5年で、指定管理料は年間1億1千万円(歴史資料館は委託外)。2013年度は管理料に加えて歴史資料館運営費など約2800万円が…

「図書館法」が守ろうとしているもの

再度、西崎恵の『図書館法』より。 最近では図書館法は挑戦される対象、打ち破られる対象と考える人もいるようで、そんな中、当時どのような背景でこの法律が作られたか、担当者の考えに触れることは大切だと思う。 以下の言葉は昭和25年5月5日に記されたも…

図書館法の「レクリエーション」について

西崎恵『図書館法』は、昭和25年当時、文部省社会教育局長だった西崎恵氏が図書館法の趣旨を述べた資料。 「レクリエーション」の定義 図書館法による図書館の目的と、従来の目的とを比較すると、レクリエーションに資するということが新たに加えられている…